
同じ年代を扱っても物語の構成が真逆のドラマとして話題の2作品
「あんぱん」は辛い過去と向き合う事の大切さを教示しています
反対に
望まないものにはあえてフォーカスせず、観たくないものは徹底して見せない構成だったのが「めおと日和」
佐々木は「めおと日和」放送後にある皆様の高評価の感想に対して、不安と違和感を感じています
感想の多くが 「戦争前の昭和の良い時代で終わって良かった」「昭和の日本人の習慣が美しい」という点です

軍国主義で子供達は児童労働と身売りが合法で人権無視が日常化の昭和が美しい?昭和が良い時代?
「めおと日和」感想「ハッピーエンドでしたが、日本はこの後すぐ戦争を始めます」 この感想にも違和感があります
ドラマと違って昭和11年の現実は、日本と中国の15年戦争の最中で戦時下でした
「めおと日和」感想「本作の時代設定が昭和11年であることから、いつか訪れる戦争の前の平和な時代背景で良かった」

海軍青年将校が犯した5.15事件 そしてドラマの昭和11年は、陸軍青年将校が犯した2.26事件の年です
ちなみに「めおと日和」の主人公は海軍の青年将校で中尉でした
一般人ではない海軍青年将校で中尉の新婚家庭は、当然戦争中の意識下にあったと思います

5.15事件で「話せばわかる」と優しく応対した犬養総理を拳銃で殺害した海軍青年将校達も同じ中尉でした
昭和11年の東京は、ドラマのような波うららかな場ではなく、暗黒の息苦しい都市でもありました
日本は明治の日清戦争以降 10年間隔で、大きな戦争を自己都合から謀略的にひき起こしていました
隣国を謀略的に侵略しては、植民地支配を拡大し、国内では非戦論派を次々に殺害・暗殺している時代でした
しかし「めおと日和」の感想コメント欄を見る限り、私達日本人は、
アメリカを奇襲攻撃した昭和16年12月8日を戦争開始と自己都合の歴史に修正をしていると感じています
近年NHKは、間違った歴史認識と過去を美化する歴史修正主義者の増加を危惧して
「映像の世紀」や各種の特番と朝ドラを中心に、本当の昭和の歴史を証拠資料や映像と共に放送しています

今回の「あんぱん」では軍国主義女子で教師として侵略戦争に加担した責任のある人物を主役に設定しました
「めおと日和」とは真逆の観ているのが辛くなるほどの厳しい現実を毎朝放送しています
なぜそんな辛い事を放送するのかというと
日本を誤った方向へ突き進めた要因は、植民地支配が目的の侵略戦争に狂喜した国民の熱狂だったからです

国民意識だった戦争責任を問う というドラマ展開が始まってから脱落者が増加した
前々回の朝ドラ「寅に翼」の放送時にも愛国心の強い方々から多くの批判がありました
それでも「あんぱん」の脚本は変わらず 不都合な事実と向き合う大切さを説いています
「めおと日和」の昭和11年 私達の先輩 日本人はよそ様の土地で何をしていたのでしょうか

「めおと日和」ではフォーカスされない、よそ様の土地の中国で、日本人は何をしていたのでしょうか

「愛と青春の旅立ち」のようなハッピーエンドで、海軍の白い制服「素敵」で終わって良いのでしょうか
私達日本人は、無条件降伏の敗戦から80年経過しても先輩方が近隣アジア諸国におこなった愚行から
目を背け、知らんけどで誤魔化しながら過去を美化してはダメだと思っています

今回のドラマは、原作者や製作側に何処か軍服男子はイケてる、という思想があるように思います
陸軍士官だと中国出兵は避けられず、軍服も茶色でいかにも日本兵スタイルでダサイと思われるかも

しかし海軍だと「愛と青春の旅立ち」や「トップガン」のトム・クルーズのように
映えさせることができ、女子受けが狙えると浅はかな下心が読み取れてしまいます
では何が良くて 何が悪いかの一例を示します
今回ちょうど同じタイミングで、高視聴率&高評価の作品が最終回でした

彼女がハッピーエンドな最終回を迎えるのには46年必要としました
「めおと日和」と同様、白馬の王子様と結ばれるために、彼女は幾多の困難と挫折に立ち向かい続けました
この赤い彗星=白馬の王子様は、46年後の2025年に 一番信頼のおける部下から裏切られました

「あなたの虚無は必ず多くの民を殺めて、破壊に導く」と断罪もされて部下に殺されそうになります
ちなみにこのシーンで使う虚無とは「「うわべだけで中身がない」と佐々木は解釈しています

令和のコメ騒動救世主と高評価の政治家さん 佐々木は、虚無をまとっている様に見えてしまいます
話を戻します
部下からの指摘で覚醒した後、赤い彗星は、逃亡し後に軍服を脱ぎ一般人となって彼女と再会することを選択しました
こんな平和的な最終回 誰一人も予想できませんでした 赤い彗星が軍服を脱ぎ捨てて一般人になる姿に感動しました
佐々木は、褐色の少女のハッピーエンドに、もろ手を挙げて賛同しています
その理由は、昭和&平成の物語構成だと各キャストは時勢に流され、その場その場を対応と対処するだけで、
肝心である各々の思想は虚無だったからです 他人からの命令に従って行動することが中心でした
令和のアニメは、一人一人が不都合な事実や不都合な現実と向き合い、受け止めてなおも前に進む姿勢を感じるからです
そう ここ2作品のガンダムシリーズが 唱えているのは

一人一人が逃げずに向き合って、日々進化し、人任せにせずに各々が強くなることだと思っています

先人の名言でもありますが、見たくない現実と向き合う事が次の世代の幸福につながっていくと思っています
「めおと日和」は小中学生の女子や若い年齢層に大変人気で、昨今昭和女子ブームだそうです

歴史は繰り返すと言います 間違った愛国心や愛国思想の闇は、いつも近くに存在しています
ミリタリー好きの少年だった佐々木は、日本が戦争に勝つにはどうしたら良かったのかを探求し続けました
それが大人になるにつれ、どうしてあんな間違いを犯してしまったのかを探求するように変化していきました
そして50歳を過ぎて昭和史の感想は、敗戦前の軍国主義の日本に良い面など無く
あるのは反省することばかり、そして一番の狂気は軍国主義を後押し、熱狂した国民意識だったと思っています


昭和20年 1945年 8月15日の大手新聞2社の1面です この見出しを読んで何が理解できますか
四国宣言とは
「第2次世界大戦末期の1945年、アメリカ・イギリス・ソビエト・中国の四か国が署名し、日本に無条件降伏を要求した共同宣言。日本の戦争が「世界征服の挙」つまり侵略戦争だったことを明確にしています。」
日本の新聞社は、無条件降伏を受託し敗戦と、何故明言できなかったのでしょうか
いつから終戦という言葉で誤魔化して、侵略戦争だった事を認める宣言を受託したことを除外したのでしょうか

写真の女性のように、まずは本当の歴史を受け入れ、誤魔化さない事が大切と思っています
「めおと日和」の高視聴率を受けて、今後第二・第三の歴史修正胸キュン昭和ドラマが増殖しないことを願っています。
佐々木
PS

「めおと日和」で昭和女子から賞賛されている食事の時に「いただきます」と唱えるシーン
日本人の「いただきます」の習慣は、敗戦後 それもごく最近で1960年~1970年頃に一般化したとの認識です
事実、敗戦直後の一般大衆映画 小津安二郎の作品等でも 食事の時に「いただきます」はありません
あるのは「さっ食べましょう」や「早くお食べになって」などです。