
佐々木歯科で患者様に説明している医療の視点は、医療人類学をベースにしています
まだまだ一般的には、なじみの少ない言葉と思います 今回その第一人者である東京科学大学
(旧東京医科歯科大学)教授の磯野先生が、Pivotに出演され無料枠でとても詳しく丁寧に説明されています
脳科学者、茂木さんの質問もとても良く、解りやすい内容です ぜひ視聴していだければと思っています
磯野先生が提唱する 医療人類学とは
「人が生まれ、死んでゆく過程において、人々は身体をどのように気遣い・考えるのかを、人の視点及びその人を取り巻く社会・文化、政治・経済的、歴史状況を鑑みながら、観察、聞き取り資料調査を駆使して明らかにし、その知見から人が身体とともに生き、死んでゆくことの意味を包括的に明らかにしようとする学問。」
これまで既存の教科書的な医療人類学からは、かなり解りやすい説明になっています
患者様の健康を維持していくには、その人の社会背景や歴史も深く関わっていますよという事です
検査結果や化学的根拠=エビデンスだけに固執しすぎると本質を見失ってしまいますよという学問です
以前書いた佐々木のつぶやき 「臨床の達人」でも紹介しました 先人のお言葉

患者様の生活背景と口腔内には、関連性が高いということです
そのためには、

一流の歯科医を目指すのではなく、一流の患者様を多く育てなさいというアドバイスでした
つまり、「人の心を動かす」ということです
これが本当に難しいテーマで、今でも悩みは尽きません
人の心を動かす その学問となるのが医療人類学と佐々木は思っています
医師&歯科医師過剰による生存戦略のための過剰医療とその弊害となった社会保障費の増大問題
そして日本の歴史文化における悪癖
今日明日にでも結果が出る事を求めてしまい、中・長期的な視野に立って問題を解決しない国民感情です
まとめ
数年前まで、磯野先生のような考え方で東京医科歯科大学の教授になることは想像できませんでした
しかし ここ数年続く同大学の不祥事によって古い体質からの脱却と工業大学との合併により
時代に沿った新しい考え方が取り入れられる校風に変化してきていると感じています
権威主義の癖が強かった同大学の今後に注目しています
最後
医療人類学に加えて、おすすめの学問があります

速水先生が提唱する歴史人口学です
日本人の良い面での国民気質は、日本スゲー論など沢山の名著があります
逆に改善すべき面を書いた名著は少ないと思っています
キッカケの一冊として速水先生の新書は、とても良い参考資料と思っています。
佐々木