海が見える家 と 傲慢と善良
佐々木が読んでいたベストセラー小説 「海が見える家」が4部作 旅立ちで幕を閉じました
小説のジャンルは、幸福感や社会との向き合い方がテーマな作品です
あらすじ
「ブラック企業を働き始めて一ヶ月で辞職した。そんな矢先、疎遠にしていた父親の訃報が飛び込んできた。孤独死したのか。父の終の棲家で、遺品整理を進めていく。海辺の町での暮らし、東京とは違った時間の流れを生きるうちに、文哉の価値観に変化が訪れる。そして文哉は、積極的に父の足跡をたどりはじめた。」
佐々木の印象は、昨今の時勢を汲み込んだ 現実的で、少しドライな作品でした
温かい人情味という感覚も、佐々木が育った時代とは 少し違う雰囲気でした
この違和感は、10年程前 映画化もされ、評価の高い作品、「森崎書店の日々など」を読んだ時にも感じました
40歳代の時に読んで、厳しいなという印象があったのですが
50歳で読んだ 「海が見える家」では さらに厳しいという印象を持ちました
自然災害やパンデミックへの対応や、貧困格差を意識せざる得なくなった昨今
時代の変化とともに、幸福感がテーマの小説の世界でも 変化を感じる作品でした
30数年前 佐々木が20歳代の頃のような、ハッピーエンド&勧善懲悪を描く作品は少数派となりました
「海が見える家」は、とても男性目線の作品でした、では女性目線からだと と思い
最近文庫化された 人気女性作家の作品を読むことにしました
テーマは、やはり幸福感や社会との向き合い方 です
流石ベストセラーを連発する 人気作家でした とても人物描写が巧みで緻密でした
刺激的な内容は、読むことを辞められなくなる程で 一晩で読み終えてしまいました
そして何より感じたのは、やはり女性の目線は より厳しいなと (;^_^A
物語は、子供を育てる親目線ですと とにかく頭が下がる事だらけでした
帯に書かれているように、誤魔化し抜きに 本質を語る事が支持される時勢なんだなと
昨今の医療には、忖度や誤魔化しや、建前があり、それを「寄り添う」という流行語で片づけてしまっている事があります
本質を医療の場で使う勇気は、かなりの浪費を伴い、現場ではマイナスとなります
毎日の診療で、一番悩ましい事でもあります
今回の2作品は、向き合う事より、寄り添う方が となっていく気持ちを
ダメだ!! しっかり向き合おうと奮い立たせてくれる
そんな作品でした。
佐々木